特集川瀬が物件オーナーになってみた
2024.03.28 
川瀬が物件オーナーになってみた「こんな改修がしたい!」

みなさんこんにちは。CHAr副代表の川瀨英嗣(かわせ・えいじ)です。

先月スタートした連載「川瀬が物件オーナーになってみた」を読んでくださった皆さん、どうもありがとうございます。今回は第2回目として、どんな改修をしようとしているのか、お伝えできればと思います。物件の概要や、この物件との出会いに関しては、前回記事「空き家を買ってみる」をご覧ください。


これまで培ってきた物件調査やモクチンレシピによる改修のノウハウがわかる内容となっています。私がどうやって物件を見ているのか、どういうポイントに絞って改修を考えているのか、具体例を通じて説明しています。

改修とお金

さて、物件改修でまず考えなくてはならないのは、お金についてです。もちろんデザインや機能も非常に重要ですが、ちゃんと数字を見ていかないと運用で躓いてしまいます。

一般的に物件改修の場合、利回りのひとつの目安として10%以上と言われています。例えば家賃10万円で貸し出す物件の場合、賃料は年120万円になります。利回りが10%ということは、物件取得と改修にかけられる合計費用の目安として最大1200万円という数字が出てきます。一度このような具体的な数字を出してみると、逆算してどこまでお金をかけられるのかが見えてきます。

今回の空き家を紹介してくださった平和建設の河邉さんは、このエリアの不動産事情には誰よりも詳しい方です。この物件をうまく改修すれば、大体家賃は7.5~8万円は狙えるのではないか、とアドバイスをいただきました。そうすると、購入+改修に使える大まかな金額を算出できます。このようにして、全体的な予算感を掴んでいきました。


現況を一緒に確認しよう

次は改修についてです。せっかくですので、空き家を購入した直後の様子をみなさんにも見ていただけたらと思います。


外観


廊下・階段(玄関から撮影)


1階和室・ダイニング


2階和室

この空間を見て何を思いましたか?どのように改修してみたいですか?ぜひみなさんも、自分が持っている物件だと思って考えてみてください。改修に一つの決まった正解はありません。私の分析と改修は一つの具体例だと考えて、参考にしていただけたらと思います。

改修のアイデア

この物件の第一印象として、小さいながらも整った外観・間取りである印象を受けました。1階も2階も実際の面積よりも居室が広々と感じられるのが特徴的です。1階の和室はダイニングと連続的につながっており、閉塞感がありません。このような空間の質をうまく活かしながら、低コストで改修することを考えると、床の改修に力を入れるのがポイントになってきます。例えば和室には「いろどりカーペット(IDC)」をダイニングには「のっぺりフロア(NPF)」を使うことで、効果的な改修ができるでしょう。

また、壁は再塗装するだけで印象がガラリと変わります。「ぱきっと真壁(PKS)」を使えば、和室の良さを残しながらも、シンプルかつ美しい空間にすることができます。


1階和室・ダイニングの改修案

次に2階を見ていきましょう。すでに窓が多く、とても明るい部屋です。明るいだけでなく、7.5畳ある和室のため(通常は6畳が多い)、たった1.5畳の差ですが広く感じられます。ここを更にわかりやすく広い空間にするには、天井を抜いてしまうのが最適かもしれません。ただ、天井を一度あけると、再度断熱して納める等の必要が出てきて、かなりのコストがかかってしまいそうです。この部屋も壁には「ぱきっと真壁(PKS)」が最適だと思いますが、天井については予算と相談になるかもしれません。


2階和室の改修案

いよいよ着工?

この他にも外構・水回りなど改修しなくてはならない箇所はたくさんあります。こうした箇所に関しても、今後取り上げてお伝えできればと思います。また、DIYでできるところは挑戦してみたいとも思っています。こうした物件オーナーができる自力の改修についても、今後の記事で実体験とともに発信できたらと思います。

これから見積もりを取得し、金額・内容がまとまり次第着工する予定ですので、スムーズにいけば次回は実際の改修の現場からお伝えできるかと思います。どんな物件になるのか、今からワクワクします。みなさんもぜひご期待ください!
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