特集イベントレポート
2024.01.19 
淵野辺まち歩きツアー&トーコーキッチンへようこそ出版記念イベントを開催しました

CHArパートナーズ会員である東郊住宅社は、神奈川県相模原市の淵野辺で50年近く不動産事業を行ってきました。2015年には物件入居者向けの食堂「トーコーキッチン」をオープン。入居者においしく健康的な食生活を提供し、同社の物件の人気がますます上がっています。
デザイン設計はCHArがさせていただいたのですが、コミュニケーションをとる場としても活躍しているこの食堂は、地域づくりのグッドデザイン特別賞も受賞するなど、高く評価されています。


そんなトーコーキッチンでのストーリーや仕組みをまとめた本「トーコーキッチンへようこそ!~日本一『味どう?』と聞いている不動産屋の話~」(虹有社)が昨年出版されたこともきっかけに、東郊住宅社代表の池田峰さんにご協力いただいて、淵野辺のまち歩きツアーと、出版記念懇親イベントを、11月29日に開催しました。


不動産会社と物件入居者の日常的コミュニケーション


淵野辺のツアーでは、最初に「トーコーキッチン」に集合。紙を使った絶妙にアナログなシステムで、スタッフの方とコミュニケーションをとりながらメニューを注文します。料理を待っている間にも、次々と訪れる人々。2~3人のグループもいますが1人で入ってくる方も多く、常連さんも多い様子でした。そこにさりげなく声をかけていく池田さん。「こないだはありがとうね」など、池田さんと食堂利用者(=入居者)で、トーコーキッチンを通じて日常的なコミュニケーションがなされていることを感じました。




参加者同士で自己紹介をした後、淵野辺のまち歩きに出かけます。
東郊住宅社の物件入居率は99%と非常に高い水準ですが、歩いているとまちに大きな特徴があるわけではないことがわかります。トーコーキッチンや東郊住宅社の物件管理に魅力があり、「普通のまち」でも物件の人気を出せることを実感したまち歩きでした。





また、一般的な賃貸物件と、CHArのモクチンレシピを使って改装した物件の2部屋を見せていただきました。レシピを使って改装した物件は、築年数はかなり古い物件ながら、相場より高めの家賃で常に入居があるということ。レシピの使用を検討しているツアー参加者は、施工をじっくり観察していました。



駅周辺なども歩いた後、トーコーキッチンに戻って質疑やワークを行いました。
「自社の管理やまちづくりにこう活かしたい」という声も出れば、「淵野辺のここはもっと発展の余地がありそう」と見えたポテンシャルを池田さんに伝える声もあがりました。







そのまちの要素と、自分が好きなことの掛けあわせで見えてくるもの


夜には、淵野辺と同じ相模原市にある会場「kichika」にて懇親イベントを行いました。こちらも、不動産会社を営まれている方、物件をお持ちの方など多くの方にご参加いただきました。食事をとりながら、池田さんからトーコーキッチンの説明をいただき、CHArメンバー・参加者と共にディスカッションを行いました。



参加者にはトーコーキッチンのような場を自分の拠点でも作りたい、と熱い想いを持つ方も多く、そのための質問もあがりましたが、池田さんは「トーコーキッチンを再現しようするのではなく、そのまちが持つ要素からできることを考える発想が合っているのでは」と話します。また、池田さん自身が「食が好きだし、食を通じて人が笑顔になる様子を見るのも好き」だったことも、トーコーキッチンをやることに決めた一つの背景だそうです。

他のまちで同じ場を作ることはできないし作る必要もない。まちにあるモノやコト、その人が好きなこととの掛け合わせで、できることが見えてくるのではないかというディスカッションで盛り上がりました。





次は池田さんが他の方の拠点に出向いてそこでの仕掛けを共に考えるツアーをしよう、というアイディアも。次回企画にも期待してください!



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