8月9日(水)、CHArパートナーズ会員であるマチモリ不動産の三好明さんにご案内いただいて、静岡県熱海市のまち歩きツアーを開催しました。
CHArのパートナーズ・メンバーズ会員限定の企画で、9名の方にご参加いただきました。
他のまちを見て、自分のまちを理解する
当日は熱海駅近くの、マチモリ不動産が管理する物件に集合。
階段で6階の屋上まで登り、海とまちを眺めながら参加者それぞれ自己紹介をしてツアーが始まりました。
スケルトンの状態の部屋や、交換した配管などを見て、参加者からはリノベの方針や工事費に関する質問が次々あがりました。
縦の区分所有だが構造的に連結しているビル、地下の部屋があるビルなど、ユニークな物件を複数見学させていただき、
「この部屋はスタジオに使うのはどうか」「上階は住宅がいいんじゃないか」「最初は商業で募集したら家賃はどうなるだろうか」といった会話が飛び交いました。
参加者も話を聞くだけでなく、自分の物件やまちを頭に浮かべながら質問や意見を出すことで、相互に発想が広がる様子を感じました。
まちの経済圏を広げ、まちに強い愛着を持つ人を増やす
商店街にあるスペースで一度休憩した後、マチモリ不動産さんの事業をプレゼンテーションしていただき、
午後は熱海の中心地「熱海銀座」付近で再度まち歩きを行いました。
用途を検討中の木造住宅や、以前遊郭だったという趣ある物件を巡りながら、地理・歴史的な解説もしていただきました。
不動産屋として街を動かす視点
三好さんの発言からしばしば感じたのは、個々の物件の活用を考えるだけでなく、 「まちを考え、動かす」という視点を持っていらっしゃること、 そのために長い時間軸で人との関係を作られている、ということでした。
例えば、ツアーで視察したある物件の、今後の活用方法の話になったときのことです。
三好さんは、今の物件の状況はもちろん、熱海の中でのそのエリアの未来像、オーナーのお子さんの暮らし方を踏まえての相続の想定などを踏まえて、 民泊で利用するのがよいと考えているそうです。
同時に、今はまだその考えをオーナーさんに強く伝える段階ではないとも言います。
オーナーさんにとって、物件を動かすにあたって発生するアクションや、財産について親族と話していく心理的負担のほうが、論理や利回りよりも大きな問題になるとしばしば感じているとのこと。
人として信頼して相談してもらえるようになるまで、一緒にご飯を食べながら長い時間かけて関係を作っていく、と仰っていました。
また、耐震化のような、物件への長期的投資を検討するとなると、補助金やエリアプランなど、市の政策も踏まえて考えていくことになります。 けれども公の場では市は民間の財産に口出しすることはできず、行政と民間が分断されがちな状況に問題意識をもっている三好さん。 行政の方とも、ざっくばらんに意見を交わす機会を持っているそうです。 物件やオーナーさんの背景を伝えるうちに、市の方も胸の内を伝えてくれることもあり、そういった機会を少しずつ積み重ねているとのこと。
長い目線で、こういった地道な取り組みを続けている様子に、参加者からも「自分もまちを動かす視点を持っていきたい」という声があがりました。
三好さんの解説が素晴らしかったことはもちろん、参加者からの発言も踏まえて、密度の濃い時間となりました。
自分の拠点以外のまちを見ることにより、自分のまちへの新たな気付きも生まれると感じて、CHArではツアーを開催しています。
次回はみなさんのまちで実施しましょう!
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