部屋数の多いファミリー物件。フルリノベでなく、部屋の印象を整える方針で、費用を抑えた改修を実現

「リノベーション図鑑」では、モクチン企画が行った物件改修のポイントを解説しています。今回は、部屋数が多く、全体的に痛んでいる物件を、部屋のバランスを整えることに方針を定め、効果的に改修した事例をお届けします。


単身向けのワンルーム、1Kといったタイプの物件では全体の印象を変えるのは難しくありませんが、部屋数が多いファミリータイプの物件では、全てに手を入れてしっかり改修しようとすると多額の費用がかかってしまいます。今回は、各部屋のバランスを取りながらポイントを絞って改修した事例をお届けします。



それでは早速改修前の状態をみていきましょう。

玄関扉を開けると左手にキッチン、右手には水回りがまとまっています。

長期間入居していたのか、全体的にくすんでおり暗い印象です。水回りも経年劣化による汚れ、黄ばみなどが目立ちました。



↑玄関側より室内方向を見る。水回りはコンパクトにまとまっています。玄関側とリビングの間をゆるやかに区切る門型の造作が印象的です。



↑ベランダ側より玄関方向をみる。玄関側はベランダからの光が届かず暗い印象です。



↑リビングスペース。少々変則的な間取りになっています。



↑洋室部分。おおきな出窓が特徴的でした。2面採光で一階ながらもかなり明るい印象です。



↑奥の和室部分。こちらも玄関・水回りと同じくベランダとは反対方向にあり、暗い印象です。



以上が改修前の状態になります。いかかでしたでしょうか? 現況調査時には、ただ漫然と状態を見るのではなく、魅力と問題点、それぞれを意識しながら観察する事が重要です。


モクチン企画はこの物件を、以下のように分析しました。

□ 魅力・可能性(プラスのポイント)

・ベランダに面した洋室2室は明るく、好印象

・部屋数が多いものの、それぞれの部屋の使い勝手は良さそう。

・門型の枠、出窓など特徴的な造作がある

・(和洋折衷な空間)


□ 問題点(マイナスのポイント)

・全体的に暗い印象。特に廊下側の玄関周りや和室は、ベランダ側に比べて極端に暗い。

→色味の濃い床材の影響か?

・中途半端に色味の違う木目調CFが貼られており、少々違和感がある。

・全体的に劣化しているので、ひと通りやりかえると改修費用が大きくかさむ




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さて、ではこの物件がどのように変わったのでしょうか。早速見てみましょう。












いかがでしょうか?


玄関からリビングスペースまでを「のっぺりフロア」で仕上げることによって、全体的にシンプルで明るい印象に変わりました。床材を変える事によって部屋の明るさは大きく変わります。


普段であれば、「のっぺりフロア」と合わせて「ホワイト大壁」を使い、周り縁や巾木などの枠関係を白く塗装してよりシンプルに見せるところですが、今回は門型の造作を活かすため、あえて残しています(コストの削減にもなっています)。








洋室には、出窓を活かした「額縁ウインドウ」を使い、物件の特徴を素直に活かしています。床は「ざっくりフロア」で板間として仕上げることで、空間にメリハリが生まれました。




和室は最低限の改修とし、畳の表替えとクロス交換のみ。コストを最小限に抑えています。ただし、そういったなかでも、照明を「ライティングレール」に変えたことで、グッと印象が変わっています。



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かくして、各部屋のバランスを取りながらポイントを絞って改修する事で、適度にメリハリ・変化の感じられる物件となりました。

モクチンレシピは部分的かつ汎用的なアイデアの集まりなので、今回のように物件の状況に応じて選択して使っていくことができます。


アパート改修デザイン講座」や「モクチンスクール報告書」では具体的な物件の物件の分析方法やレシピの組み合わせ方を学ぶ事ができます。こちらもぜひ参考にしてみてください!


この記事に出てくるレシピ

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