押さえたい勘所。住み手がDIYしやすいDIY可能物件の作り方!

「リノベーション図鑑」では、モクチン企画が行った物件改修のポイントを解説しています。今回は、これまで賃貸ではなかった戸建てを貸し家に改修した事例をお届けします。戸建てのニーズに真っ向から応えようとすると、隅々まできれいに仕上げる必要がありコストもかかります。今回の物件では、レシピで効率よく仕上げる部屋とDIY前提の部屋を分けて部屋ごとにかける予算にメリハリをつけました。

こちらの物件は主要駅まで2-3駅で出られる住宅街に立地しています。一般的なファミリーでなくとも、若いカップルや広いスペースを借りたい単身者もターゲットにできそうな立地です。雨漏りや腐食といった大きな補修が必要な箇所はありませんでしたが、全体的に古く汚れています。レシピで効率よく仕上げる部屋とDIY前提の部屋をどのような基準で振り分けるとよいのでしょうか。


まずは既存状況を見てみましょう。



[一階ダイニング・キッチン]


玄関を入るとすぐダイニングとキッチンです。12畳ほどの広さがありますが、全体的な汚れや色のチグハグさが気になります。キッチンは二槽シンクの古いタイプですが、サイズが大きく目を惹きます。床のタイルカーペットは汚れの残り方が気になるため、清掃性の高い材料へ変更したいところです。



[一階和室]


廊下を抜けると庭に面した和室がありました。床下地に一部腐食が見られますが、それ以外は年数相応の傷み方といった印象でした。こうした和室の効率的な改修はレシピが得意とするところです。



[一階浴室]


洗面やトイレは古い既製品が設けられていましたが、浴室は在来構法の広々としたつくりでした。使われているタイルも凝ってるので、活かす方法がありそうです。



[二階居室]


階段を上がると8畳ほどの居室と6畳の居室が二つあり、大きい部屋はルーフバルコニーに面しています。明るさは十分ですが、その分細かい穴や汚れといった細部が気になってしまいます。フローリングの状態はしっかりとしており、そのままでも使えそうです。


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元々賃貸物件ではなかったため、仕上げを賃貸に適したものに変更したり、バラバラの素材を揃えて整える必要がありそうです。しかし全部屋を満遍なく仕上げる予算はないため、今回は二階の個室をDIY前提の部屋にします。二階はプライベートな個室となる可能性が高く、自分好みに仕上げるDIYと相性が良いためです。しかしDIY前提とはいえ、単に汚れたまま放置すると不親切でハードルが上がってしまいます。


DIYしやすい部屋とはどのような作りなのでしょうか。あるポイントを気にしてあげると、DIYに適した部屋にすることができます。

改修後の各部屋を見てみましょう!



[一階ダイニング・キッチン]


窓が多いのに薄暗かったダイニングは明るい印象に変わりました。


ここでは「ざっくりフロア」 「ぱきっと新壁」 「シャイニングふすま」 「チーム銀色」 「ライティングレール」のレシピを使っています。


全体の色味が統一されたことで、元々のキッチンやタイルが部屋のワンポイントとして見せられます。廊下も「ざっくりフロア」で一続きにして、部屋の拡がりが出るように作りました。



[一階和室]


こちらはダイニング・キッチンと同じレシピで仕上げています。一階の二部屋を同じ仕上がりにすることで、まとまりのある印象の物件になります。基本は和室の仕様のままですが、「シャイニングふすま」をアクセントにしています。



[一階浴室]


今回はシャワー回りの金具だけ変更しました。他の部屋をシンプルにまとめた分、元々のブルーのタイルが印象的に見えます。各部屋を単体で考えず、全体のバランスで仕様を決めていくことが重要です。



[二階居室]


今回の改修の肝はこちらの二階居室です。天井へのライティングレール以外に改修は行わず、DIY可能な部屋としました。壁・天井の色の塗り替えは取り組みやすい作業です。DIYのできない電気工事をあらかじめ行い簡単な作業を残すことでDIYの敷居を下げました。プライベートな部屋になることが予想されるので、二階をDIY対応の部屋と設定しました。



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いくらDIY可能物件といっても、何もしない現況のまま貸し出すだけでは借り手がつかないこともあります。今回は水回りや下地を組む床工事など工務店さんを入れないと難しい工事はレシピで対処しています。用途がDIYと相性のよい二階個室はほぼ手を加えないなど、限られた予算を戦略的に振り分けていくことで、物件のターゲットも自ずと明確になります。どんな人に借りてほしいか伝わるよう手を入れて、DIYできる範囲の明快な物件に整理してあげることが重要ですね。

 

「アパート改修デザイン講座」「モクチンスクール報告書」では具体的な物件の物件の分析方法やレシピの組み合わせ方を学ぶ事ができます。こちらもぜひ参考にしてみてください。


この記事に出てくるレシピ

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