時代遅れになってしまった、ワンルームタイプのロフト付アパート改修

今回は80年代から90年代にかけて数多く建てられた、ロフト付のワンルームタイプの物件の改修についてご紹介します。当時最先端の設備だった3点ユニットバスや、ロフトの使いやすさは、今では時代遅れの厄介者。どのような改修がありえるのか、レシピを使った実例をお届けします。

今回は80年代に流行した、ロフト付アパートがテーマです。当時のロフト付アパートは、海外のアパートのようでオシャレ、また3点ユニットバスがホテルみたいでかっこいいと、広く人気をあつめていました。不動産投資の観点から見たときにも、専有面積の狭い狭小ワンルームに入居者がつくため都合が良く、沢山のロフト付物件が建てられました。


しかしそれも今は昔。現在では、夏は暑くて冬は寒いといったロフトスペースのデメリットに加え、3点ユニットというだけで敬遠する入居者も多くなり、このようなタイプの需要はめっきり下火になっています。


しかし、諦めることはありません!それでも単なるワンルームマンションなどに比べれば、「ロフト」それ自体が大きな空間の特徴になります。これをうまく活かした改修をする事で、魅力的な物件を作り出すことができるのです。


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それでは実際に事例を見ていきましょう。

モクチン企画が手がけたとある物件の、改修前の状態がこちらです。




まずは居室部分から。


これといった特徴もない、可もなく不可もなくといった内装です。しかしよく見ると、色味に統一感がなく、要素もごちゃついている(通常のワンルームにはない梁、階段などが付加されている)ような印象を受けます。




見上げると、ロフトタイプの特徴である吹き抜けがあります。高さはかなりありますが、なぜでしょう、開放感があまり感じられません。天井についている蛍光灯のような照明も、味気なく感じます。




ロフト部分です。この物件はロフトが比較的広めなので、使い方によっては便利そうです。




水回りはこんな感じ。浴槽+シャワー、洗面台、トイレが一緒になった、いわゆる3点ユニットバスと言われるタイプです。ユニットバス自体の劣化はそれほどでもないので、予算的にも現況を上手く活かして使いたいところです。



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改修のポイントとしては、やはり「ロフト」があること、そして「高い天井」、すでに差別化要因になっているこれらをどうやって上手く活かせるかが重要です。また同時に、3点ユニットによるマイナス印象をどれだけ食い止められるかにもアイディアが必要でしょう。


それでは、この物件はどのように変わったのでしょうか。

早速、改修後の様子を見てみましょう。



いかがでしょうか?


改修のメインとなるレシピは「立体天井」です。これは天井側のクロスに、木目などの目を引く柄を用いるアイデアで、ロフトの高さを強調し、空間のひろがりを引き立てる効果があります。




合わせて使うと効果的なのが「ホワイト大壁」です。「立体天井」の効果を最大化するには、それ以外おの部分はできるだけ主張しない様にシンプルに仕上げることがポイント。


「立体天井」「ホワイト大壁」を組み合わせて使うことで、ロフト物件の最大の特徴である天井高を活かした開放感のある空間に変わりました。




ロフト上から見た写真。特徴的な天井の形が可視化されました。床は「立体天井」と同じ色味だったので、あえて既存を残して、居室との変化をつけています。


また照明を黒の「ライティングレール」に変え、天井の壁紙となじませています。細かいポイントですが、色味にはなるだけ統一感を持たせるのが重要です。




3点ユニットバスには「横長いっぱいミラー」「チーム銀色」あかるい風呂灯りを使って改修しています。


「横長いっぱいミラー」「あかるい風呂灯り」には、ユニットバス内を広く、明るく感じさせる効果があります。


また「チーム銀色」でシャワーヘッド、ホース、水栓ハンドルなどを統一する事で、水周りの清潔感を取り戻すことができます。


ちょっとした操作ですが、これらをやるだけで3点ユニットの印象がずいぶんと変わります。実際に物件をみた多くの方にも、普通の3点ユニットバスは嫌だけどこれであれば問題ないと言って頂きました。


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かくして、ロフト物件がもともと持っている「空間の広がり」を引き出し、現代的にアップデートする改修ができました。


「立体天井」は特に複雑なことを必要とせず、基本的には天井面のみ壁紙の品番を変えているだけなので、原状回復にあわせて取り組むのも簡単です。


似たような物件の改修やリフォームの際には、ぜひ試してみてください。(「ホワイト大壁」もわすれずに!)


では!


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