特集パートナーズ・インタビュー
2024.09.28 
物件の先にある「くらし」に自分たちの仕事がある パートナーズNEXTより、トダくらし不動産の取り組みご紹介【後編】

CHArが主催する年に一度の不動産会社向けイベント「パートナーズNEXT」で、平和建設株式会社 トダくらし不動産代表 河邉政明氏に発表いただいた内容をご紹介します。

主に物件の改修についてとりあげた前編記事と併せてご覧ください!


メディアやイベントで人をつなぐ

私達が行うまちづくりプロジェクトのコンセプトは「ハコを活かし コトをおこし ヒトをつなぎ トダを育む」だとお伝えしました。戸田の「ヒト」に関するプロジェクトもご紹介します。

地域の魅力的な人たちを見える化しようと「トダピース」というウェブメディアを作りました。ここで紹介をしながら、少しずつ戸田の中で仲間を増やしている感覚があります。

今年の5月には新たに、地域の事業者を紹介するフリーペーパー「IPPUKUマップ」も発行しました。それぞれのお客さんが他のお店も巡回する仕掛けを作り、戸田での「顔の見える経済循環」を目指しています。


2020年には「はねとくも」というコミュニティ型賃貸住宅も建築しました。「あなたの個性がまちの価値になる」をコンセプトに、一階部分にアトリエと共有スペースを設けています。当初は一般的なワンルームを建てようと考えていたのですが、CHArさんに相談したらそれじゃだめだと全然違う提案をされまして(笑)アトリエがあるのでそこを使ってくれる方を募集したら、コーヒー豆の焙煎をされている方、ジュエリー作家さんなど、まちの顔になる魅力的な方々にこれまで入居いただいていています。

共有スペースでは入居者さんと一緒に、定期的にマルシェも行っています。

(詳細や建築までの経緯は、モクチンマガジンの連載記事「トダピースが考える「価値を生みつづける賃貸ってなんだ!?」をぜひご覧ください」

入居者でもある「マルズクッキー」が屋号変更のお祝いに作ってくれた特製ケーキ。



最後にご紹介するのは「戸田クラシックカー同窓会」です。もう不動産から全くかけ離れてきてますけれども・・・私は古い車が好きでして、そんな車に乗っていたお仲間さん達が増えてきて、そういった方たちが「河邉さん不動産屋なんだからちょっと何かやってよ」みたいな話になってきたんです。そこで、公園をジャックし、古い車150台近く集める企画をしました。クラシックカーというと高級というイメージもありますが、メーカーや車種の縛りはなくし、年代だけで集めることにしました。そうすると、20代から80代まで世代を超えて、車を共通のツールとして和気あいあいとした交流が生まれました。
個人的な趣味とも重なっている取り組みですが、戸田市長が来てくれたりメディアに取り上げられたりと話題になりましたし、参加してくれた方から不動産の仲介に繋がっているケースもありますので、事業としても意味があると感じています。

古いものを長く使う。循環型社会を考えるきっかけになればという想いも(河邉さんの資料より)



不動産屋だからできる「くらし」づくりに取り組む

2024年6月から「トダ暮らし不動産」と屋号を変え、会社のホームページやパンフレットもデザインを刷新しました。「これまでやってきたこと、これからやりたいことが伝わるようにしよう」ということが最も大きな目的です。パンフレットにも記載したメッセージを、ご紹介させていただきます。




仲介した借り主さんが鍵を受け取るために面白くない契約書の話を聞いて、鍵もらったその後は修理とクレーム対応だけしか電話が来ない、そういう対応が主でそれ以外の仕事はない・・・管理会社をやっていますとそんな業務状態の会社も多いと思いますしうちもそうだったのですが、根本的にそこを変えたいという決意表明でパンフレットの言葉を記載しました。




これからトダくらし不動産として取り組んでいくことを大きく三つ考えています。

一つ目は空き家対策です。「トダの空きバコ埋めませんか?」をスローガンに、これまで以上に魅力的な賃貸物件を増やし、て魅力的な人を増やしていければと思います。

二つ目は不動産の売却です。「土地が喜ぶ使い方のご提案」というスタンスを大事にしています。従来の不動産屋のビジネスとしては、手数料が多くとれる形式、トラブルがない手離れのよさ、などが重視されがちですが、売主さん・買主さん・まちも喜ぶような使い方の提案を一つでも多くできればと思っています。

三つ目は相続のご相談、必ず訪れる「実家どうする問題」でもあります。相続の案件をご相談いただくことも多くなってきたのですが、相続税を納めることだけを目的とした提案が非常に多く、先代の思い、ご家族のこれから、まちの未来といったことを考えて回答できる人というのはなかなかいないものだと感じてます。金融機関さん、大手ハウスメーカーさん、大手不動産業者さん等も、建てるとか家族信託とかというそれぞれの立場での最適解を提示されると思うのですが、私達はそれとは異なる、地域との協働共有を図っていけるような最適解を考えられるはずです。税理士さん、弁護士さん、司法書士さん、不動産鑑定士さんといったそれぞれの専門家と連携しながら、地主さんと一緒に最適解を探していきたいと思っています。


普段も、今日この場でも、全国各地のトップランナーの地主さんたちがいろいろと挑戦されてる前例のない取り組みを目の前で見せていただける機会があることが本当にありがたいと思っています。そういったものを私なりに吸収して解釈し、戸田の地主さんの力になれる、伴走できる自分になっていければと思っています。



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河邉さんは次々に新しいことに取り組まれています。そこには戸田に暮らす人たちへの想いを感じますし、河邉さん自身が仕掛けることを楽しまれている様子も感じます。
まちに深く広い興味をもつことと、自分がわくわくしていくことが、まちなかデベロッパーとして大事な要素のように感じました。


このようなワクワクする取り組みを仕掛けている不動産会社が集う、「パートナーズ」に関心がある方はこちらからお問い合わせください。

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