CHArが主催する、年に一度の不動産会社向けイベント「パートナーズNEXT」。2回目となる今年は、 〜地域価値を創る不動産会社「まちなかデベロッパー」を目指せ!〜というテーマで、6月14・15日に開催しました。パートナーズ会員にも、「まちなかデベロッパー」としてのプロジェクト事例をプレゼンテーションいただきました。
本記事ではそのなかで、平和建設株式会社 トダくらし不動産代表 河邉政明氏に発表いただいた内容をご紹介します。平和建設では物件だけでなく、まちに住まう人とくらしに焦点をあてた事業を様々行ってきました。そういった取り組みが更に伝わるようにと、今年屋号を変更し、WEBやパンフレットのリブランディングも行いました。リブランディングプロジェクトでは、CHArもパートナーズの枠組みで、企画立ち上げからクリエイティブディレクションまで伴走サポートさせていただきました。
ここからは河邉さんの言葉でお届けします。
「日本一敷居の低い不動産屋」を目指して
私は平和建設という会社の2代目になります。社名に建設と入っていますが創業以来建物を建てることは行っておらず、不動産の賃貸、売買、管理、仲介などを40年近く行っている不動産会社です。パートさん含めて総勢5人のまちの小さな不動産屋になります。店頭でアイスキャンディを売っており、放課後になると小学生がアイスを買いにくる行列が見られます。100円で入れる日本一敷居の低い不動産屋を自負してます。(笑)
まちや人の流れに目を向けて考えた、物件の活かし方
自分たちの事業全体、まちづくりプロジェクトのことは「トダピース」と名づけていまして、「ハコを活かし コトをおこし ヒトをつなぎ トダを育む」をコンセプトに、空き部屋とか空き家を個性的なハコに作り替えて、そのハコを使って面白いことを起こして、そこに集まる魅力的なヒトたちを繋げて、それらを見える化していく、そういった動きで地域と繋がるきっかけを作っています。
トダピースのメインテーマ(トダピースのHPより)
「ハコ」つまり物件について、改修しているのは主に古くなったアパートの空き部屋です。古いアパートは、収益性が見込めない、改修にもお金をかけたくない、ということで放っておかれて値下げ合戦になり、まちの中に取り残される傾向にあります。私達は、これまでの「お金をかけて古いものを新しくする」というだけの画一的なリノベーションではなく、オーナーさんの資産状況や建物の劣化状況に合わせて、一部屋ごとに個別にアドバイスを行いながら少しずつ改修実績を増やしていきました。
改修では、CHArさんの作った、賃貸物件改修のデザインツール「モクチンレシピ」を使っています。
以前再建築不可の平屋を改修したこともありました。古くてきれいではないうえ、接道がないという、好印象とは言いづらい物件でした。そこをモクチンレシピを使ってリノベーションすることに加え、改修だけだと大きく印象が変わりづらいため、若手アーティストさんのギャラリーとして展示を開催してもらう時期を設け、人を呼び込んでから賃貸募集を行うという取り組みを行いました。
他には、逆に駅正面、目抜き通りの事例もあります。戸田公園駅で最も人通りが多いのではないかと思われる交差点で、まちのたばこ屋として40年以上営業されていたお店がコロナの影響で閉まってしまいました。
その場所を普通に賃貸募集してしまうと、資金力がある店舗がポンと入って来ることになり、地域の小さな事業者さんたちは駅前にお店を出せないという状況でした。地元で頑張ってる事業者さんを誘致したい想いと、できるだけ多くの人が関わり代を持てるような店舗に入っていただきたいという想いがあり、自分の事業所の裏で頑張っていらっしゃるカフェの店主に想いを伝えたところ、一緒にやりましょうということでおにぎり屋さんが開業することになりました。入っていたタバコ屋さんからタバコの営業を引き継いでほしいという要望もあり、タバコの認可を自社で取って販売も行いながら、まちの案内をおこなうこともあります。
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