本特集は、株式会社LIXILとの共同研究プロジェクトについてお届けします。
共同研究のテーマは「賃貸」と「水まわり」。今回の記事では、このプロジェクトの背景や、2回のセッションの内容をご紹介します。今回のセッションでは、時代のニーズを認識するための議論や、水まわりプロダクトについての議論、空間や居場所についての議論など、様々な視点から次世代のプロダクトの姿を捉えていきます。
次の時代を見据えた水まわり製品とは?
こんにちは。
今年度からモクチン企画は株式会社LIXILと共同で「賃貸」と「水まわり」をテーマに新たなニーズ発見に取り組んでいます。
かつては「新築」や「持ち家」をターゲットにすることが多かった住設メーカーも、戦後の右肩上がりの経済成長や人口増加という前提が大きく変わり、これからの時代は「改修」や「賃貸」にフォーカスした製品開発が重要となっています。
プロジェクト名はズバリ『築古賃貸の水まわりラボ』。築年数の古い賃貸物件の水まわりの改修で困っている人が世の中にはたくさんいます。そんな方たちの課題を解決する水まわりプロダクトを研究することがこのプロジェクトの目標です。
また、モクチンレシピのユーザーを含め、様々な関係者を巻き込みつつ、プロジェクトを通して生まれる議論や発見も大切にしながら、プロジェクトをひとつのラボと見立て、共同研究を進めていきたいと思っています。
なぜいま、築古の賃貸なのか?
戦後日本社会は、人口拡大に合わせて持ち家政策が推進され、今だに「新築」や「持ち家」は当たり前のものとして受け入れられています。
しかし、いまの日本は人口減少社会に転じ、単身世帯の増加、超高齢化社会の到来と、社会が大きく変化しています。また、それに伴って住宅業界では新築着工戸数の減少、人々のライフスタイルの多様化や、リノベーションの普及など、「新築」や「持ち家」のマーケットは縮小傾向にあります。
住空間の本質から探っていきます。
最初の2回のセッションでは、「賃貸」と「水回り」のことについてだけでなく、家や生活、人の居場所そのものについても議論しました。
「これからの社会に必要となる賃貸のプロダクトは何か?」という問いから、日本の住空間の本質を再考していくことが出来ます。
マーケットが対象にする住空間が変わり、さらにそれに合ったプロダクトを考える上で、今の時代背景を強く意識しなければいけません。そこで、時代のニーズを認識するための議論が必要になってきます。住み方も多様になってきている中で、セッションで行われた議論も自然と住まいや暮らしに対する本質的なものとなりました。
[図:賃貸をとりまく意思決定の全体のフロー。このようなダイアグラムをたくさん作り、議論しています。]
また、これまで大きく変わることのなかった水まわりプロダクトについても議論してきました。たとえばユニットバスは、開発された60年代においては画期的な発明でしたが、それ以降、基本構造を根本から刷新するような進化が大きくあったわけではなく、当時の時代背景のまま今に至ります。
このプロジェクトでは、プロダクト単体の開発だけではなく、プロダクトに紐づいているユーザーの体験、施工や解体などの工事や施工、商品のビジネスモデルについても議論しています。
最初の二回のセッションでは新しく生まれている住まい方の事例や、シェアエコノミーを標榜するスタートアップのサービスについても事例研究しました。
水まわりについて一緒に考えてみませんか?
このプロジェクトでは月に1回行われる「セッション」と全3回行われる外部ゲストに参加してもらう「ワークショップ」、そしてモクチンレシピのユーザーからの「フィードバック」をもとにプロダクトの研究を進めていきます。
モクチン企画ではこれまで「レシピ改善速報」などの特集記事で、ユーザーとのコミュニケーションを大切にしてきました。今回のプロジェクトの特集記事でも、アンケートなどを通じて皆さんのご意見を積極的に取り入れていきたいと考えています。
次回の記事では、これまでに見えてきた課題をもとに開催したワークショップの第一回目を紹介していきます。楽しみにしていてください。
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「賃貸の水まわり」新製品開発プロジェクト
アンケート第2弾にご協力ください!
読者である皆さまに、物件を改修する際にどの部分で困ることが多いのかアンケートを実施させていただければと思います。アンケートの項目の中からお困りの部位について3つ選び、送信していただければ幸いです。
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