キッチンと和室にメリハリを。築古1K物件の改修。

「リノベーション図鑑」では、モクチン企画が行った物件改修のポイントを解説しています。今回は、1K、和室、バランス釜が揃った典型的な木賃アパートの改修です。品のある和室を活かしながらもメリハリをつけ、現代的に改修した事例を紹介します。


和室の改修を行う時によくあるのは、真壁を大壁にしたり、畳をフローリングにすることで、見た目を洋室に変えてしまうパターンです。とはいえ盲目的な洋室化ほど、高コストで無意味なことはありません。物件の特徴にあわせて、和室の設えを再利用することができれば、洋室化にくらべて改修費用を大きく圧縮することができます。


今回ご紹介するのは、東京西部のとある街の物件です。駅から十数分程度歩いた、閑静な住宅街にひっそりと建っていました。


それでは早速現状を見て、最適な改修について考えてみましょう。


↑ 爽やかな青色の鉄骨階段が印象的な外観。


↑ 廊下を抜けた、二階の突き当りが対象の部屋でした。



↑ 室内に入り、玄関から居室方向を見た写真。1Kタイプの典型的な木造アパートです。玄関回りは狭く、薄暗い印象でした。味のある床材ですが、傷みが目立っています。


↑ キッチンには大きな窓があり、雰囲気はよく感じられました。


↑ 浴室。在来浴室+バランス釜でした。


↑ 奥の居室。角部屋で明るく光が差し込みます。隣地との間隔はひろく、開放感が感じられます。


↑ 収納スペースは十分です。スッキリと、端正な印象の和室でした。



↑ 窓からは隣地の緑が臨めます。



以上が改修前の状態です。典型的な1Kの木造アパートですが、無骨な玄関側と開放的な居室側で、大きく印象が変わるユニークさがありました。


居室(和室)は状態も雰囲気もよく、うまく既存を活かせそうです。一方で玄関・キッチン側は薄暗く狭い印象なので、こちらはテコ入れが必要でした。


こういった築古物件を改修するポイントは、とにかく新築に近づけようとしないこと。むしろ古い物件ほど、そこにしかない魅力を見つけ、活かすことが大事です。無駄な改修をしないことでコストを抑え、他にはない物件をつくりましょう。



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それではこの物件がどのように変わったのか、早速見てみましょう。






いかがでしょうか?


手前の玄関・キッチン室を集中的に改修しつつ、和室の品のある印象はそのまま活かしています。メリハリのある、現代的な印象の部屋に生まれ変わりました。


玄関・キッチン側は「ホワイト大壁」を中心に全体を白く清潔にまとめ、明るい印象にしています。合わせてキッチン本体はキャビネット型のものからステンレス製で足下のすっきりしたカウンター型のもの(「ギンギラキッチン」)に変更する事で、狭いキッチンスペースを以前よりも広く使えるようになりました。


一方の和室は「ぱきっと真壁」で木造らしさを活かしながら、最小限の改修に留めています。味のある天井や柱、長押など、木造らしい魅力的な素材感・ディテールが最大限引立つ様に整えました。あえて畳を残していますが、玄関側・キッチン側と対比的な表情・質感になることで洗練された印象に感じられるようになりました。


照明は2室とも「ライティングレール」を使っています。ここではそれぞれの天井に色を合わせて白・黒を使い分け、違和感がないよう収めています。



↑ 部屋の切り替わり部分には「ひさし棚」を用い、部屋のメリハリがより感じられるように計画しました。



↑トイレのレトロでかわいらしい床タイルは既存利用しています。古臭い雰囲気にならないよう、壁と天井は白色でまとめたことで、よりタイルが引立ちました。



かくして、部屋の魅力や問題点をしっかりと意識・理解して改修する事で、古さを活かした特徴的な物件となりました。また既存を活かす事により、全てを洋室・フローリングに変えてしまうような一般的なフルリフォームに比べ、改修費用を抑える結果にも繋がりました。


モクチンレシピは部分的かつ汎用的なアイデアの集まりなので、今回のように物件の状況に応じて選択して使っていくことができます。


アパート改修デザイン講座」や「モクチンスクール報告書」では具体的な物件の物件の分析方法やレシピの組み合わせ方を学ぶ事ができます。こちらもぜひ参考にしてみてください!


この記事に出てくるレシピ

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