本特集では、これまでモクチン企画が培ってきた物件改修のノウハウを丸ごと学ぶことができる講座、「モクチンスクール」の開校に向け、既存のパートナーズ会員を対象に実施している「試験版スクール」の様子をレポートしています。
第3回となる今回は、第2回の「和室タイプ」の改修レクチャーに続き、実践的な内容で提案力を鍛えます。今回はより需要の多い「洋室タイプ」の改修レクチャーです。
今回で木賃スクールの前半戦は終了となります。折り返し地点ということもあり、第1回目からのレクチャー内容をきちんと覚えているかどうか、受講生のみなさんに質問が投げかけられました。正確に答えられたり、少し曖昧だったりと様々ですが、学んだことを復習することの重要性を感じさせられる一コマがありました。
さて、本題のレクチャーです。「2S1W+α」は前回の和室タイプと同じように、洋室タイプの改修における基本的な改修の公式です。Sから始まる二つのポイント、Wから始まる一つのポイントと、さらに相性のよいもう一手間を加えるという+αの考え方を示したものです。
部屋全体をまるごと改修するのではなく、床や壁などポイントを絞ったレシピの活用よって、これといった特徴のない洋室タイプの部屋が、魅力的な空間へと生まれ変わります。実際にレシピを使った事例が今回も多く盛り込まれており、ワンルームやロフト付物件の施工後のイメージを理解しやすい内容となっています。
受講生に聞くと、やはり「和室タイプ」よりも「洋室タイプ」を取り扱う方が多いようです。日々の業務で使える機会が多い分、講義内容をより真剣に聴く様子がひしひしと伝わってきます。またレクチャーについてのアンケートからは、「レシピの組み合わせで高級感を作る事ができるというのが、新しい発見だった」といったフィードバックもありました。
前回と同じく、後半はレクチャーの内容を習得するためのワークショップの時間です。まずはお題となる物件の写真と図面を見ながら、良いと思うポイント、改修の必要があるポイントをそれぞれ10分ほど分析します。
スクールの回を重ねるごとに、受講生同士もリラックスした雰囲気になってきたので、ワークショップでの意見交換もより活発になってきました。同じ物件に対しても、一人ひとり異なった視点をもっていることが、そのまま新しい学びにつながります。
そのあと、レクチャーで紹介したモクチンレシピを組み合わせて、魅力的な改修案を作っていきます。どの部分に何のレシピを用いるのか、今回は予算40万円を目標に、レクチャーのポイントや日頃の経験に基づいて15分ほどディスカッションします。
こうして、使うレシピが決まったら、両チームともに図面に改修プランを書き込んでいきます。さらに今回からは、その改修プランの魅力を一言で伝える「キャッチフレーズ」を考えるという課題が新たに盛り込まれました。文章を考えるだけでしょと侮るなかれ。場当たり的な改修ではなく目的を持ったデザインを行うために、重要な行程なのです。
最後はプレゼンテーションの時間です。それぞれのチームともに予算を数千円ほど上回りましたが、何を目的にした改修なのかを考えていた事で、レシピごとにその必要性を説明する事ができていました。これなら許容範囲と言えそうです。発表では工夫した点だけでなく、苦労した点など試行錯誤のプロセスが共有され、受講生のみなさんからは笑みがこぼれました。
後日おこなったアンケートの結果でも、スクールのレクチャー・ワークショップに対する満足度が上がってきてることが伺えました。これらの知見を活かして作るスクール第1期への期待も高まります。
第四回は「不動産先端学」と題して、新しい不動産会社の働き方を切り開くゲスト二組をお呼びする一味違った会になります。次回のレポートもお楽しみに!
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