物件の水周りは、改修のタイミングで真っ先に気になるポイントですよね。
特に古い木造アパートのお風呂は、タイル貼りの在来浴室だったり、浴槽にバランス釜が設置されていたりして、どうしても設備の古さが目立ってしまいます。きれいなユニットバスにリフォームしようと思っても、なかなか難しいこれらのお風呂。部分的な機器交換と、一緒に出来る改修のアイディアをご紹介します。
古い木造アパートといえば、「バランス釜」。ぱっとイメージが湧くくらい、築古物件で出会うことが多いアイテムですです。
電気を利用しないので停電時にも利用できる!という、防災面でのメリットはなきにしにあらずですが、清掃しづらかったり、浴槽が狭くなったりと、デメリットが多いのも事実です...。
長年多くの入居者を支えてくれたことに感謝しつつ、バランス釜そのものは交換できるとよいですね。
バランス釜を撤去すると、排気口が取り付いていた穴が壁に残ります。こちらの穴を利用して新しい給湯器を取り付けるのが一般的ですが、どのような給湯器を使うのが良いのでしょうか。
選択肢としては主に二つで、「ホールインワン給湯器」と「壁掛け給湯器」です。この二つは、浴室だけに給湯するか、キッチンなど他の箇所にも給湯するか、工事内容で使い分けましょう。
バランス釜と同じく浴室のみに給湯する性能のものは安く交換可能です。給湯器のセットで穴も塞げて作業が簡易に済みます。性能のより良いものを選べば、キッチンにも給湯可能です。
穴を利用して外部へ配管して取り付けます。キッチンの機器交換など、他の水廻りも改修する際にまとめて行うのがおすすめです。
長い目で見れば後者の壁掛給湯器のように物件全体に給湯する改修が理想的ですが、工事手間もかかり高額な工事が予想されます。バランス釜をやめてまずは物件を稼働させたい!ということであれば、ひとまずホールインワンで安価に工事を行うところから始めましょう。
置き式の浴槽は、足下の清掃が大変です。今のものを使い続ける場合はバランス給湯器のなくなった分、30cm程の隙間が空いてしまいます。
お風呂の清潔感にも影響するので、浴槽を残すよりは、やはり交換が一番です。
ホールインワン給湯器を選んだ場合、浴槽は今のものを使い続けるか、ホールインワン給湯器専用の浴槽に変更しなければいけません。一般的な給湯器に変更した場合は、浴槽の選択肢を少し増やすことができます。
また、モクチンレシピでお勧めしているのは思い切って浴槽をなくしてみる改修です。
賃貸生活で自宅のお風呂を使う機会はそうそう多くはないはずです。単身者をターゲットにした物件であれば、中途半端なサイズの浴槽を残すよりも、海外のシャワールームのように広々としたスペースに変えてしまう方が訴求力があります。
ここまでは主に浴槽やバランス釜について話してきました。機能は改善されてきましたが、浴室のタイル、なんだか古臭く感じませんか?
でも、よくみると多くの木造アパートのタイルはかわいいチャーミングなものばかりです。個性もあります。そう、実は古臭いのはタイルではなく、タイル以外の要素なのです。浴槽、シャワーヘッド、照明、鏡。これらのまわりの要素を変えてあげることで、タイルを好印象に感じさせることができるのです。
モクチンレシピでは、そのような考え方に基づいて在来浴室を魅力的に見せるアイデアを紹介しています。たとえば「チーム銀色」でシャワーヘッドはもちろん、シャワーホースやフックなど細かいところまでシルバーのものに変えてみましょう。銀色のパーツが、背景のタイルをぐっと引き立てて爽やかな印象に変わります。
また「横幅いっぱいミラー」を組み合わせると、浴室が明るく広く見えます。こうするだけでもタイル貼りを素敵な印象に変えることも可能です。
バスパネルを貼ってユニットバスのように見せるリフォーム方法もありますが、まず一度タイルを活かす方法を考えてみてください。
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お風呂の改修にまつわる色々な考え方や手法について説明してきましたが、モクチン企画ではこうしたノウハウを生かした改修のご相談も承っております。ご興味のある方は、「モクチン相談室」までお問い合わせください。
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