とうとう全貌をあらわした「価値を生み続ける新築木賃アパート」。
平和な戸田のまちに突如として現れた「令和の看板建築」は地域の人たちの注目の的となり、通りすがりのご近所さんたちから、
「このクリニックはいつからオープンだい?」
「洋食屋さんができるんだってねぇ?」
「しってるかい?ここはシェアハウスになるんだよ。」
と様々なウワサを広げ、気付けばオープン前からまちのシンボルタワー的存在(?)になっていました(笑)
写真:建物外観、昭和の職住近接型の建物である「看板建築」を現代に(撮影:kentahasegawa)
建物名は「はねとくも(hane to kumo)」
毎日違った景色を紡ぐ雲(くも)のような個性、そんなあふれる個性が羽(はね)ばたく場所。
あなたの好きを表現するアトリエから、同じ価値観を持った人たちがつながり、ひろがり、個性がまちに溢れ出していく。
そんな場所をつくりたくて「はねとくも」と名付けました。
写真:フレームに設置された「はねとくも」の建物サイン
モクチンさんとは2015年から協働し、モクチンレシピを使って空き家だった数多くの築古物件が生まれ変わる奇跡を体感してきました。
そんなモクチン企画と「未来に遺す木賃アパートとは?」という問いに対する答えがこの「はねとくも」です。
同じ価値観をもったヒト達を集めるための「デザイン」と、集まったヒト達がゆるやかにつながっていける「関係性(ソフト)」が、この「はねとくも」には備わっています。
写真:まちの新たな風景になりました(撮影:kentahasegawa)
「プライベート(私的)とパブリック(公的)」、「働く(WORK)と暮らす(LIVE)」、これまで分けて考えられていたものの「しきり」を外すことで、そこに暮らす人たちの「個性」がまちの魅力になっていくような想いをカタチにしたのがこの建物です。
2.3号室はアトリエと住居が一体になったいわゆる「店舗付き住居」の間取りになっており、アトリエ部分で行われる光景がまちの景色の一部になるようなしかけになっています。
写真:アトリエ部分。DIY可能な仕様になっています。(撮影:kentahasegawa)
写真:3号室の2階。天井の高い居室空間(撮影:kentahasegawa)
また、1階部分の「コモンスペース」「コモンテラス」は、普段は居住者専用のセカンドスペースとしての利用を想定しつつ、マルシェなどの地域に開かれた場所としても使えるよう、変幻自在な空間となっています。
従来の賃貸物件のように色々なものギッチリ詰め込んだ「収益性を高める間取り」ではなく、余白をもった「エリアの価値を高める間取り」にしたことで、あたらしい価値を創造する空間が生まれました。
写真:コモンテラスを含んだ共有部。ここで色々な企みを企画中...(撮影:kentahasegawa)
また入居者募集についても、これまでの大手ポータルサイトで閲覧数を稼ぐやり方ではなく、一緒にこの場所からまちの価値をデザインしたいという「想いを届けること」を目指し、独自のWebサイトも立ち上げました。
はねとくも(hane to kumo):Webサイト
写真:はねとくもウェブサイト:入居者のひとりである鶴巻さんに作成いただきました。
不動産の仕事をはじめてから約24年間で培ってきた「ノウハウ」や「テクニック」は一旦白紙に戻し、紙一枚に目を通し「勤務先」や「勤続年数」で入居者を判断するのではなく、お問い合わせを頂いたお客様とじっくり膝を突き合わせてお話をするというやり方で、一緒にまちの価値をつくる仲間を募っています。
おかげさまで完成前の段階からこの取り組みを面白がってくれる入居者も見つかり、今後は近くのお店や気になるヒトたちを巻き込みながら、イベントやトダピースの活動なども一緒に楽しんでいこうと悪だくみをしております。(笑)
とはいえ、気負わず、無理せず、自分たちのやりたいことを出来る範囲でやっていくつもりなので、これから入居するであろう未来の仲間たちと「暮らし」も「仕事」も楽しみながら地域とつながり、まちの価値を生み続けて行ければと思っております。
写真:昭和から令和へ、まちの価値を受け継ぎながら(左の写真、撮影:kentahasegawa)
これからはじまる「はねとくも」の物語にご期待ください!!