特集イベントレポート
2021.04.09 
モクチンパートナーズ 実務セミナー(第四回)レポート「相続知識の活かし方(なぜ相続対策なのか・オーナー様から相談されるために大切なこと)」

「モクチンパートナーズ 実務セミナー」は、「モクチンレシピ」に限らず、専門知識への理解をモクチンパートナーズ全体で深めていくことを目的のひとつとしたセミナーシリーズです。これまで、管理会社のこれからの役割、住宅診断、保険の活用など、ゲストをお招きして専門的なレクチャーと質疑応答をセットで行ってきました。


2021年初の開催となる第四回は、3月25日(木) 18:00〜19:00に「相続知識の活かし方」というテーマで、(株)財産ドックおよび第一ハウジング(株)代表取締役の加藤豊さんにご講演いただきました。


銀行に勤めたご経験から、第一ハウジング(株)の経営に加え、不動産に関わる相談を専門とするコンサルタント会社、(株)財産ドックを立ち上げられた加藤さん。最近では相続対策が主となっているそうです。


2015年の基礎控除額改正から、課税対象者が大きく増加し、誰にとっても相続対策は他人事ではなくなりました。不動産管理を熟知しているからこその視点で、節税、納税、分割、さらには長生きへの対策についてお話を伺いました。不動産の“健康診断”のためのチェックリストには、オーナー側の人間関係などのトラブルへの対応も含まれ、幅広く実用的な内容となっていました。


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1. 相続のための空室対策




モクチン企画の最初のプロジェクトとして、「ぽつ窓ルーバー」「縁側ベルト」を使って外構の改修をした川崎市内のアパート。外構に手を加えることで、内装を変えなくても空室が埋まった事例として紹介していますが、実はこちらの物件は、地元に多くの空き地を所有している建設会社からの相談がきっかけで改修することになったのだそう。大きな不動産資産があり、納税のためにはどこかを売却する必要があるが、何をして良いかわからないという状況でした。


資産をフルに活用して健全な状態に。、という提案から始まったプロジェクト。改修後に空室がなくなり家賃収入が安定したため、続いて、残す不動産・残さない不動産の選別や、マンション投資をした結果、節税対策も行えたとのことでした。


相続対策のための「測量」にも費用が必要になってきます。それを用意するためにも、今ある物件を活かして、家賃収入を増やすことが大切だと加藤さん。



2. 相続対策の現状




2015年度、さらに2018年度の法改正で相続税の納税対象者が大幅に増えました。そうした中、特に遺産額5000万円以下の親族から1棟を引き継ぐような場合に、相続トラブルが起こっている実態があり、これを「争族」と表現されていました。


実際に相談を受ける際に困っていることを聞き出すと、「税額の概算を出したい」「具体的に自分がどのように対応したらよいか知りたい」という声が多いそうです。


この背景には、顧問の税理士に相続対策や固定資産税の見直しなどの相談ができていなかったり、対策するにも時間がかかる借地が対象となるなど、様々な事情があり、そこを聞き出すところから対策は始まるといいます。


現状、統計では相続財産の4割強は単純に分割することのできない不動産。現金が手元に残るように生命保険を活用するなど、代償を考えることもできるため、財産ドックには、税理士・弁護士の他に、生命保険会社のアドバイザーも入っているのだそうです。



3.相続対策の3大原則 




一般的にいわれている3つの対策と、認知症のことを考えた「長生き対策」についてお話いただきました。


「節税対策」では、単純に借金をしてマンションを建てるのではなく、予め土地を分割した上で新築するなど、将来の相続を見越して対策すること、「納税対策」としても、定期的に健康診断を行う中で、換金性も考慮した処分の優先順位をつけておくこと、など不動産知識を活かしていくことがポイントとなってきます。


「長生き対策」は、認知症になってしまうと、一気にできなくなってしまうことが増えてしまうことについての対策とのことです。成年後見人がついた場合、後見人への月々の支払いが発生する上に、ご本人・ご家族の想いが反映されにくくなるケースもあるので、「家族信託」を検討することも選択肢に入れておくなどの対策が考えられるそうです。



「争族」を最小限にとどめるための鍵となる、「遺言書」、「家族信託」、「法人化」、そして「資産の健康診断」についてもお話いただきました。


プレゼンテーションスライド中の、資産の健康診断のための「不動産価値判断チェックリスト」「相続トラブルチェックリスト」の2つのリスト。財産を多く残してあげたい子どもがいる場合などもあるので、背景までヒアリングした上で相続することが重要だそうです。


土地の売り買いについて理解していないと土地の換金性まで考慮することは難しく、健康診断にしても、法人化のタイミングの判断にしても、税理士が持つ知識に加えて不動産の知識があることが大切だということがわかります。


昨年2020年には、「自筆遺言の保管制度」「配偶者の居住権」についての民法が改正されました。このように世の中が変化する時がチャンスの時だと加藤さんは語ります。

不動産管理会社としては、常に体系的に勉強をし、現場に落とし込んで覚えていく、そして、大家向けにセミナーなどで情報を共有する。このように、早めに相談を受けて円滑に対応できるようにしておくことで、トラブル件数の減少にも繋がっていきます。


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セミナー全体を通して、相続対策と不動産管理の知識は強く結びついていることを学べた1時間でした。また、よりテーマを絞って詳しくお聞きできるような機会も設けられたらと思います。



*財産ドックのホームページからメールで登録して、興味がある方は3名に著書『20の事例でわかる 税理士が知らない不動産オーナーの相続対策』をプレゼントいただけるそう。気になっていることがある方も、ぜひご相談されてみてはいかがでしょうか。