12月17日(木) 18:00〜19:00に“不動産管理の実務”に焦点を当てた「モクチンパートナーズ 実務セミナー」の第三回を開催しました。この記事では、その内容についてのレポートをお届けします。
「モクチンパートナーズ 実務セミナー」は、「モクチンレシピ」に限らず、専門知識への理解をモクチンパートナーズ全体で深めていくことを目的のひとつとしたセミナーです。10月から12月まで計3回、ゲストをお招きし、専門的なレクチャーと質疑応答をセットとして行いました。
第一回「これからの管理会社の在り方」、第二回「住宅診断のポイント 」に続き、第三回は「築古物件の修繕計画・メンテの秘訣」ということで、ゲストにモクチンパートナーズ会員で、株式会社マチモリ不動産代表の三好 明さんをお招きしました。
大手不動産管理会社に勤めながら副業として熱海に関わり始め、まちづくり会社((株)machimori)取締役を経て、2019年3月に(株)マチモリ不動産を開業された三好さん。
課題先進都市といわれる熱海での不動産管理の現状とともに、課題を解決していくための方法、主に火災保険の活用ポイントを伝授していただきました。
熱海のような状況下で、不動産仲介・管理・リフォーム会社を信頼できなくなっている大家に対して、管理会社として、課題認識の共有を図ったり、入居者の声を届けたりしていくことが大切であることがよくわかった1時間でした。
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1. 熱海から見えてくる不動産業界の未来
三好さんが縁もゆかりもなかった熱海に移住し起業しようと思った理由は、熱海には「30年後の不動産業界の未来」があるから。実際に熱海で不動産のお仕事を始めてからは、まちの面白い場所や人を案内することで、観光では見られない熱海に触れ、生活のイメージを膨らませてもらう、ということをされているそうです。
熱海の不動産課題は大きく分けると以下の3点。もはや、1部屋単位ではなく、エリア全体で考えていかないとこれらは解決していかないと言います。
①空き家が多いのに住める住宅がない。
②多様なライフスタイルに応じた「選択肢」がない
③「不動産管理の新しい可能性」への挑戦
そして、高額物件は大手仲介会社が扱い、地元管理会社は自らが大家業に転身していく、さらに、リフォーム会社は大家にいかにお金を多く使ってもらうかを考えるようになる。このような現象は熱海に限らず起こっていて、そういった場所では大家が誰も信用できなくなってきてしまうとのことでした。
三好さんは、このようなタコ壷化からの脱却をはかるため、それらの業務を一貫して行うこと、客付けを先に行うことで投資回収の見込みを立ててからリノベーションを行うこと、そして、マーケットの状況を大家と共有することを大切にされているそうです。
「多様さが織りなす住まうビル」というコンセプトを設定し、用途の自由度を高めた築66年のビル
もちろん、共用部分のバリューアップで家賃を上げていくことも解決のための一つの策となります。
そこで、上手く活用したいのが本日のテーマでもある「火災保険」です。
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