LIXILビジネス情報ウェブに「そこに存在するものをあるがままに受け入れる」が掲載
監修しているLIXILビジネス情報ウェブに、「よりマシな世界のためのデザイン──Architecture for a better world そこに存在するものをあるがままに受け入れる」が掲載されました。
LIXILビジネス情報ウェブより転載
今、私たちの暮らしはどこか窮屈で、退屈さや息苦しさを帯びているように感じられる。地球温暖化や格差の拡大、過剰な消費や情報の氾濫、紛争や災害……。世界に目を向ければ、日々の暮らしから遠く離れた、あまりにも複雑で手に負えないような問題が次々と浮かび上がってくる。現在の社会システムが、資本主義の論理だけでこのまま駆動し続けていくとは到底思えない。いずれ大きく揺らぎ、崩れる状況に直面するかもしれない。実際リーマンショックやパンデミックを通して私たちはそれを経験してきた。だからこそ、資本主義が提供する巨大で無機質な仕組みとは別に、大小様々な別の社会を用意しておくことが、現代を生き抜いていくために必要になるのではないだろうか。
そのような試みを、「社会の複層化」と呼んでみたい。多様な価値観や関係性を内包した小さなシステムを重ねていくことで、社会の厚みを増し、しなやかにしていく。そうすることで、今の資本主義システムそのものも、少しずつ変えていけるのかもしれない。
本連載では、建築という営みが社会の複層化にどのように寄与できるのか、具体的な事例を織り交ぜながら考えていく。荒れた世界を少しでもやわらかく、生きやすい場所へと近づけるために。
詳細はこちら:https://www.biz-lixil.com/column/housing_architecture/gr3_abw_001/